LGBTQ描写に賛否…なぜ海外を席巻? Netflix『サンクチュアリ -聖域-』が普遍的な傑作となった5つの理由を考察
text by 吉田健二
Netflixオリジナルドラマ『サンクチュアリ -聖域-』は、日本の「今日のシリーズTOP10」で5日間連続1位を獲得するなど、韓流ドラマをしのぐ人気ぶりを発揮している。舞台となるのは、神秘のベールに包まれている大相撲の世界。今回は海外のファンも多い本作の魅力を5つのポイントで考察していく。【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】(文・吉田健二)
主人公を演じるのは元格闘家・一ノ瀬ワタル
『サンクチュアリ-聖域-』は、Netflixが日本で製作を行い、世界で配信を行う人気ドラマ。
監督は『ザ・ファブル』シリーズや『ガチ星』の江口カンが務め、脚本は、ドラマ『半沢直樹』で知られ、江口監督とは『ガチ星』に続くタッグとなる金沢知樹(劇団K助)が担当している。
主演を務める一ノ瀬ワタルは、映画『HiGH&LOW』シリーズや映画『宮本から君へ』で頭角を現した、元プロ格闘家という異色の経歴を持つ俳優だ。
考察に入る前にあらすじを見ていこう。
主人公の不良青年・小瀬清(一ノ瀬ワタル)は、借金に起因する家庭崩壊によって人生のどん底にいた。そんな中、猿将部屋の親方(ピエール瀧)からスカウトを受け、相撲で金を稼ぎ、全ての問題を解決させるため上京。
「猿桜(えんおう)」という四股名をもらい力士となる。
金のために大相撲に足を踏み入れた小瀬は、センスはあるが、伝統芸能・相撲に対する敬意に欠けている。そんな彼に相撲関係者達は、嫌悪感をあらわにし、兄弟子たちは陰湿な暴力の洗礼を浴びせる。
大相撲の伝統、格式、礼節などをすべて無視し、傍若無人に振る舞う小瀬だったが、強力なライバルとの戦いや、猿将部屋を潰そうとする他の部屋の登場などにより、徐々に相撲の世界にのめりこみ、力士としての高みを目指すようになる。
金、名声、女。その全てを勝ち取るため、見習い力士の猿桜がもがき、戦う。力士の野望や葛藤、歓喜を描いた作品だ。今回は複数のポイントに分けて本作の見どころを考察していく。